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作り話 「貝殻ひろい」1 

とりとめもなく書いた作り話です。

11まであります。

これは1です



志づの住んでいる家は、浜から続く坂道のいちばん高いところにある。

坂道を登らずに細い砂利道を行けば、ここいらの集落がある。昔から小さな集落だったが、最近はさらに人が減った。
夕刻になっても灯りがつかず、ぼうっと闇に蜘蛛の巣やら埃やらが薄白く街灯に浮かび上がっているのを見て、志づはやっと思い出すのだ。
あそこはとうに廃屋になった、集会場であった通夜にも葬儀にも自分は参加したではないか。

志づの家と集落の間には地元の人にしか分からないような細い道がある。
何度砂利を敷いてもその道はいつもぬかるんだ土が表面に出てきて、茶色く濁った水たまりに足を踏み入れないように用心しながら進まなければならなかった。
その奥に小さな小さな鳥居と祠がある。そしてその小さな神社にはふさわしからぬ大きな鎮守の森が、その奥に広がっている。
鎮守の森は集落を抱え込むように木を生やし、志づの家の裏山にまで及んでいる。
そしてその先は浜からぐっと入り組んできた海だ。森がとぎれたかと思うとすっと切り立った崖だ。

ずうっと昔、同じ頃に嫁いできた三本端の奥さん(なぜその家を「三本端」と呼ぶのか、志づは今でも知らない。ずっと昔からそうなんだと、そういうことは人には聞かないものなのだとなんとなく思っている)が、潮騒の音で眠れないと小さな声でこぼしてきたことがあった。
若かった志づはあのとき殆ど何も考えずに、すぐに慣れる、と答えたのだった。
志づが生まれ、育った家も浜沿いにある漁師の家だった。
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[2007/10/29 16:20] 企画! | TB(0) | CM(0)

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