こないだの土曜日に鹿児島市中央町一番街商店街アーケードで「ストリート美術館」というイベントがあってたので、それに行ってきた。
商店街の中央駅側から反対側まで作家さんのブースを見て、今度は反対側から入り口側までブースを見て、と歩いていたら、ちょうどアエールタワー広場のところで写真家のコセリエさんがITO PROJECTの撮影を行っていらっしゃるところだった。
(一番街を日常的に利用している人でも「アエールタワー広場って?」ってなると思うけど分からなくても内容的には全然大丈夫なのでこのまま読み進めて下さい。書いている私自身もあの部分に名前がある、というかあの部分が何らかのスペースであることを知りませんでした)
コセリエさんのITO PROJECTというのは撮影ブースに赤い糸が渡してあって、その糸を持った人をコセリエさんが撮影して、撮った写真を横に並べていくと長い一本の赤い糸が繋がる…というものなんだけど、
撮った写真を繋げたらこういうふうになりますよーという感じで、今までに撮られた写真(のごくごく一部)が展示されていて、それを見ていたら、一枚の写真にひとりのかたが写っているものだけじゃなくて、数人で写っているものが何枚もあった。
それをみたとき、唐突に、雷に撃たれたかのように、
「そうだ、おかーさんと撮ってもらおう!」
と思った。
丁度というか当たり前というかそこにコセリエさんがいらっしゃったので、
「家族と撮って頂きたいんですけど今から呼んできていいですか!」
と聞いた。コセリエさんは、
「大丈夫ですけどあと10分ですよー」
と非常におおらかに仰った。
アエールタワー広場は招待作家さんがパフォーマンスをする場所だそうで、一時間おきに作家さんが変わるらしい。
「今、呼んできます!」
なんというかなんというか、折しも丁度、と言うべきか、私の母は一番街にあるお店で働いているのである。
でもって、そのとき丁度時間的に昼休みのはずなのである。
私は母の働く店に行き、社長が店番をしていたので母を電話で呼び出してもらい、
「あらあらまあまあ珍しい、アートのイベントを見に来たの?」
と言う母に、
「おかーさん一緒に写真撮ってもらおう!」
と言い、
「どこで?」
「おかーさんこんな格好だし」
「口紅も塗ってないし」(←昼休憩で食事の後だったからだと思われる)
と言う母に、
「撮るの?撮らないの?」
と言ったら、母は猛然と、
「撮るよ!」
と言った。
ので二人はもう殆ど心の中では走りながら(本当に走ってもいいが、何せ70手前の母と40手前の娘である)アエールタワー広場に向かい(20mと離れていない)、
コセリエさんに、燦然と、
「連れてきました!」
と宣言し、写真を撮ってもらった。
私と母は、母と娘としてとても良好な感情をお互いに持っていると思う。
「お母さんと仲が良くて羨ましい」
と言われたことも何度もある。
母と私はとても気が合う。
そして殆どの母娘がそうであるように、思い合う気持ちがあるがゆえに、
お互いがお互いに物凄く遠慮をしている。
母は、私が人生からドロップアウトしかかったことを、心のどこかで自分の所為だと責めている。
私は母がそう思うことは間違いだと説得しようとすること自体が「母子関係がアレだから」という恐ろしいレッテル貼りに自分が荷担してしまうのではないかという杞憂に悩まされて手出しができない。
ただ、赤い糸を持ってカメラの前に立ったとき、私たちは多分はじめて、
「歪んでいる」とか「問題のある」とかいう前置きなく、本当にただの、
「親子」
だった。
私はすごいと思った。
面倒くさいことを全部吹き飛ばして、ただの根源的な、原始的な、ありのままの姿に人を戻してくれる、
芸術というのは、
写真というのは、
ITO PROJECTというのは
コセリエさんという写真家というのは
(↑ここのとこ、どの言葉を使うのが最もいいのか結局分かりませんでした。好きなの選んで下さい)
なんて素晴らしいんだろうと思った。
…いい感じに締める言葉が見つからないので唐突にここで終わっておきます。
写真ができあがって、手元に届くのが本当に楽しみです。
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