fc2ブログ











こんばんは、城麻美です(すぐ分かる嘘) 

大学生だった彼は、深刻そうに私に相談を持ちかけた。
「俺・・・顔が『イジリー岡田』に似てるって言われた」
私が彼にかけるべき言葉は分かっていた。なのに私は、とっさに、

「ぁ!」

と言ってしまった。
彼は悲しそうに席を立った。

また彼は、あるとき、眉間に皺を寄せてこう言った。
「最近なんとなく、毛根の勢いが衰えてきたような気がする・・・なんか、髪の密度が薄くなったような気がしてならないんだ」
見た目的には何とも感じないレベルだったので、またつまんないことで悩んでるよこの男は。と思って、手の平で彼の髪をぐしゃぐしゃしながら答えた。

「何言ってんの!まだ若いのに。(私は当時からおばちゃん臭かった)大丈夫大丈夫、見た感じ全然分かんないし、触った感じも・・・ぁ!」

彼はがたんと椅子から立ち上がり、小さな声で、
「おまえ『ぁ!』とか言うな!」
と捨て台詞(?)を吐いて去っていってしまった。
だって、なんか髪と髪の間に空間を感じたんだもん。必要以上に。

あれから約十年、彼は3人の子の父親である。
そしてイジリー岡田も当時のポジションを保ったまま奇跡的なまでの現役っぷりである。
人間、大事なものの前では、若い頃の外見的コンプレックスなんて、あっという間にとるに足らないものになるのかもしれない。

お子様方に関しましては、今のところ、奥様の遺伝子に乾杯といったところである。
スポンサーサイト




[2007/03/27 04:26] どうでもいいこと | TB(0) | CM(1)