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怪人再び 

聞いた話である。

男は、一人で山を登っていた。
霧島連峰の一つ、高千穂峰である。
語るものもなく、とつとつと足を進めていく。

しかし、山の天気は変わりやすいものである。
にわかに天が曇りだし、辺りには霧が立ちこめはじめた。
そしていくらも行かないうちに完全に視界が遮られてしまった。

男は先に進む道を選び、更に足を進めた。

そこで男は気がついた。

自分の後ろを何者かがついてきていることを。

男はちらちらと後ろを伺うが、濃い霧が邪魔をしてしかと見えない。
気になる。
人であるのは間違いないが、何かが変なのである。

いや、自分以外に登山者がいてもおかしくないではないか。
そうは思うのだが、やはり何かがおかしい。
何がおかしいかと聞かれると困ってしまうのだが、後ろが気になって気になって仕方がないのだ。

男は後ろを気にしながら、結局頂上まで登ってしまった。
頂上で、後ろを歩いていた人物が誰であるか判明した。

ストッキングマンだった。

補足説明~ストッキングマン~
主に鹿児島市の繁華街・天文館で目撃される男性。
ショートパンツにパンストを着用している美脚の怪人である。上着は任意。
天文館以外の場所でも度々目撃されているので、ストッキングは勝負服ではなく普段着だと言われている。
奇抜な服装とは裏腹に行動は普通で無害である。
現在も健在かどうかは不明。
今回の目撃証言から、「登山時もショートパンツにストッキング」であることが判明した。

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[2006/06/10 23:46] どうでもいいこと | TB(0) | CM(2)

甘夏 

長崎の旦那の実家から、甘夏が送られてきた。
夜遅くに旦那が台所に立っていたので、何をしているのかとのぞき込んだら、甘夏をむいているところであった。
外側の固い皮をむいて、その中の袋から器用に実を取り出す。
食べるのかと思ったら、そうではないらしい。
実だけをポンポンとタッパーに入れていく。
タッパーが一杯になったら、その上にざくざくと砂糖をかけて、蓋を閉めた。
「これを冷蔵庫で一晩寝かせて、明日食べるんだよ」
と教えてくれた。
「天草のばあちゃん家ではいつもこうやって食っとった」
と。
天草のばあちゃんとは、旦那の父方の祖母だ。
はやくに亡くなったとのことで、私は会ったことがない。

長崎のお義母さんが帰省の度に作ってくれる混ぜご飯も、天草のおばあちゃんの味らしい。
お義母さんがお嫁にきてすぐの頃におばあちゃんから教えてもらったらしい。

次の日、砂糖に漬かった甘夏はどことなく懐かしい味がした。
私も、いつか誰かに、
「天草のおばあちゃんの食べ方だよ」
と言いながら、甘夏をむく日が来るのだろうか。
そう思うと、人の繋がりとは不思議なものだな、と思えるのだった。
[2006/06/10 00:34] どうでもいいこと | TB(0) | CM(2)