母方の実家ある地域に、「餅ふみ」という風習がある。
子どもの一歳の誕生日かそこらでする行事で、子どもにわらじを履かせ、背中に巨大な餅を背負わせ、更にそのわらじで地面に敷いた餅を踏ませるというもの。
背負った餅は人生で今後背負うことであるだろう苦労を表しているだとか、
親の愛情を表しているだとか、
餅を踏むことで、今後の人生をしっかり歩んでいくことができるだとか、
諸説あるようである。
この、餅を踏んだ後に、部屋の反対側にそろばんだの物差しだの本だの、色々物を並べておいて、子どもが何を選ぶかで未来を占う。
わが家の姉弟は三人ともこの「餅ふみ」を経験したのだが、
例えば私の姉はこのときに筆とそろばんを選んだらしい。
占いが当たったかどうかはともかくとして、彼女は書道もそろばんも一応履歴書には書ける程度の腕前らしい。
私は、万年筆と辞書を選んだらしい。
長らく休んでいるが、まあまあ辞書も万年筆も使う仕事に就きはした。
さて、弟がこの春に大学4年生になるようである。
就職活動の時期である。
万札と一升瓶を選んだ彼の進む道が、少し心配なのである。
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長嶋 有
文藝春秋社 (2002/12/06)
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自分の気持ちを、上手く捉えることができない。
今、嬉しいのか、悲しいのか、怒っているのか、感情は霧がかかっているように曖昧で、そして心のずっと奥の方にある。
短編集「タンノイのエジンバラ」に登場する4人の主人公たちも、感情の蓋に鍵をかけてしまっている自分自身を自覚しているものたちばかりである。
表題作「タンノイのエジンバラ」の「俺」はおたくで無職。
二作目の「夜のあぐら」の「私」は駅前の喫茶店のアルバイト。
三作目の「バルセロナの印象」の「僕」はインターネットの早押しゲームの問題を作っているが旅行中。
四作目の「三十歳」の「秋子」はパチンコ屋の景品係で元ピアノ教師。
四人とも、ほんの少し世間から離れたところに、流されるようにして辿り着き、そこでひっそりと暮らしている。そしてそこから世間を冷静に見つめている。
彼らにとって世間とは最も近しい関係であるはずのの家族のことでもある。
「タンノイのエジンバラ」ではスピーカーとアンプを残して死んだ父を、
「夜のあぐら」では離婚した姉、父親の金で遊んで暮らしている弟、そして別れてしまった両親を、
「バルセロナの印象」では離婚し猫を失った9歳年上の姉を、
「三十歳」では脳梗塞を患い娘の顔も分からなくなった母と、結婚して2人の子どもと2匹の犬に囲まれている姉を、
主人公が語っている。
幼いときの細かい記憶、相手がおそらく覚えていないような微細な記憶、感覚まで覚えておきながら、家族のことを理解しているだろうか?という自問に主人公たちは即答する。否と。
姉の恋を、父親の不義を、弟の挫折を、自分は何も分かっていないし、分からない、と。
自分ではどうしようのない他者との距離、自分ではどうしようもない壁を自覚しながら淡々と生きている(ふりをしている)主人公たち。
共感しつつ、やるせなくもある。
声を出して笑ったり、語気を荒げて怒ったりすることに自分は疲れ切ってしまっていたと思ったが、
本当はそれを抑えてフラットに生きることの方が何倍も疲れることなのだ。
それだからこそ、最後に訪れる感情の自然な高まり、そしてカタルシスは秀逸である。
「低音障害型感音難聴」
と、医師はメモ帳に書いて私に見せた。
年末、風邪をこじらせてから左耳が耳鳴りがするようになり、それが良くなったり悪くなったりを繰り返していた。
最近、酷くなってきたように感じたので近所の総合病院の耳鼻科に行ってきた。
ここは昨年「突発性難聴」を患ったときに通っていたところだ。先生も看護士さんたちもとても声が大きいので気に入っている。
問診の後、診察を受けた。その後いくつかの聴覚検査を受け、もう一度診察を受けた。
最後に先生が音叉を叩いて、私の左耳に近づけたとき、なんの音も聞こえなかった。
「低音障害型感音難聴」は低音部分が聞こえにくくなる病気で、はっきりとした原因や治療方法はわかっていないらしい。
前回突発性難聴のとき、劇的にステロイドホルモン剤が効いたので、同じ薬を処方することになった。
嬉しいことに、今回は私の嫌いな治療(鼻から器具を入れてぷしゅーと耳に空気を通す)をしないですんだ。
後は薬が効いてくるのを待つばかりである。
ダイエーをうろうろしてたとき、おもちゃコーナーの横で小学生の女子が「オシャレ魔女 ラブandベリー」のゲームをしてた。
「オシャレ魔女 ラブandベリー」は小学生女子をターゲットにしたトレーディングカードゲームで、女子版ムシキングとも言われているらしい。
このゲームの中にダンスステージというのがあって、リズムに合わせてボタンをピッコンピッコン押すらしい、それをやっていた。
音楽に合わせて、「イイヨイイヨー」というように機械が合いの手を入れる。
ちょうど私が横を通り抜けるときに、機械が感極まった感でこう言った。
「みんなが見てるヨォ!」
シュピーンと、自分の中でアンテナが立つのを感じた。
心の中で「ラブストーリーは突然に」が鳴り響き、さとみちゃん(有森成実)が思い起こされる、そんなアンテナ。
「ちょっとだけウザい語録」蒐集家としては見逃せない瞬間であった。
「オシャレ魔女 ラブandベリー」、かなりの強者とみた。
家でテレビを見ていても、街角でも、最近は広告の横にWebサイトのアドレスが表記されているのを目にすることが多くなった。
至る所で目にするようになった、と言い換えてもいいくらいだ。
あのアドレス表記を見ると、思わず声に出して、
「ダブリュウダブリュウダブリュウドット・・・なんちゃら・・・シーオードットジェイピー」
と言いたくなる。
かっこよく。
早口で。
DJポッキー(地元で人気のDJ)のアシスタントの人みたいに!
でも言うと、必ず
「ダブユーダブユーダブユー・・・(尻つぼみ)」
となってしまう。
小さい頃年配の方が「え」を「ぃえ」と発音しているしているのを聞いて
「いぃえ」じゃなくて「家」だよ、変だなあ、おかしいなあなどと思っていたが、
とうとう
自分がおかしいわけである。
練習・・・?
練習は変だろう。
個人でも、団体でも。
移転してきました。
どうぞ、引き続きよろしくお願いします。
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